>親知らずで入院

まだ抜いていない親知らずが3本残っていて、いずれもかかりつけの歯科クリニックでは「まだこの3本は見てわかる虫歯などはないけれど、このうち1本は斜めに生えていて、また1本はきちんと歯の頭が出ていないので、この2本は大学病院に行ってもらえないと抜けない。大学病院に行けば、虫歯になっていてもなってなくても抜きたいと言えば抜いてもらえる。隠れてしまっている歯は特に、虫歯になっているかいないかは抜かないとわからないので、今虫歯だと診断がなくても、あまり放置するのは良くない。時間とお金と心の準備ができたら、3本まとめて大学病院で抜いてもらうのがいいよ」と言われていました。
なかなか心の準備ができませんでしたが、盆休みを利用して、大学病院で抜く決意をしました。

まず大学病院に行く前に、かかりつけの歯科クリニックで「心の準備ができたので、親知らずを大学病院に抜きに行きたいです」と相談に行きました。「わかった。紹介状を書いておくね。今日は歯石取りをして行こうね」と言われて、ここで診察一回。

後日紹介状をクリニックに取りに行き、それを持って大学病院の口腔外科の診察を受けました。初診は予約を取れないので大変長く診察待ちをしました。診察に呼ばれて、「3本まとめて抜きたい。今現在痛みや虫歯などはないが、過去に一本の親知らずを抜いただけでも大変だったので、ここで全部抜いてしまいたい。入院希望である」という旨を話しました。
希望は承諾され、すぐに入院可能日の話し合いになりました。自分の仕事の盆休みとかぶるように日程を相談させてもらい、一泊二日の入院が決まりました。「全身麻酔でお願いしたい」と話したのですが、先生には「部分麻酔でいいよ」と言われてしまい、全身麻酔の希望は通りませんでした。この後医事課で入院費の確認などをしました。

まず「世間的には盆休み中でも、診察や手術がある」ということに驚きました。そして助かりました。てっきり大学病院も盆休みになるのだと思っていましたが、自分が入院したところはお盆も診察・外来・入院・手術をしていました。

自分が入院した大学病院には「口腔外科用の入院病棟」はないとのことで、婦人科病棟の部屋に入院することになりました。自分が入院した部屋は「いろんな科の人が寄せ集めて入院する部屋」とのことで、産婦人科入院で出産が近い人もいれば、耳鼻科などの入院患者も一緒の部屋で、こういうことがあるんだなと驚きました。

築10年で新しい病院で綺麗な病棟…なのはいいのですが、個室だけでなく全室トイレがついていて、自分のベッドはトイレの真隣だったため、誰かがトイレを利用するたびに流す音がうるさくて困りました。「全室トイレがついている」のは「トイレのたびに消灯後患者が廊下を出歩くのは危険である」という配慮なのだと思うのですが、ベッドとトイレを隣接させる建築はいまいちだと思います。

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全身麻酔ではなく部分麻酔による抜歯手術だったため、歯を叩かれたり砕かれたりする衝撃はそのままリアルタイムで伝わってきてとてもしんどかったです。やっぱり全身麻酔で受けたかったな…と思いました。

手術後、血を流しに吐き続ける必要があるので、いつまで血が出ているものなのか、自分の口の中の経過の様子は大丈夫なのかすごく心配でした。クリニックで抜いた時、抜歯後翌日の経過が悪いことに気付かず悪化させてしまったため、そういうことがまた起きないか心配で入院したのですが、今回は入院で先制も寝る前に見に来てくれたり、朝来て経過を報告してくれたので、とても安心しました。

食事がおいしいと評判の病院なのですが、「歯を抜いて口が血だらけになるし、痛くて食事なんかできないだろうし、食事がおいしいとしても自分には意味ないだろうな、自分には関係ないだろうな」と思っていました。しかし自分のそんな気持ちを見透かされているかのように、「歯を抜いた当日の人間にも食べやすいように工夫された食事」が出てきて感動しました。「口が痛くて絶対食べられない…はず!」と思っていましたが、あんをかけられたふわふわの卵焼きなどがおいしくて、しっかり食事ができました。医師からは「そうだよ、ちゃんと食べて!食べたぶんだけ回復するよ!食べないと回復できないんだから、退院後もちゃんと食べてね!」と励まされました。